こっそり支援

富山県を中心に北陸をこっそり応援するブログ。

夏の黒部峡谷鉄道

立山黒部アルペンルートとセットでツアーコースに組まれることの多い、黒部峡谷鉄道。夏の風景も撮しに行ってきました。

黒部ダムから下流は熟練の登山者のみが通れる渓谷ですが、欅平から温泉街の宇奈月までは黒部峡谷鉄道があり、トロッコ電車でだれでも気軽に渓谷風景を楽しむことができるようになってます。こちらも富山を代表する風景地の一つなので、夏風景を見に行ってきました。


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出発と到着は宇奈月駅。終点の欅平から先は道が無いため、必ずこちらに引き返すことになります。末端路線なので移動に使われることがまず無いのですが、年間約45万人が訪れる観光地となってます。

ロッコに乗ると色々な風景が流れていきます。鐘釣駅まではわりと進行方向右側の風景が良いです。

工事関係者と旅客が同じトロッコに乗るので、途中旅客が降りられない駅がいくつかあります。宇奈月の次に降りることができるのは黒薙(くろなぎ)駅。宇奈月温泉の源泉供給元となってます。

この駅を降りたホーム端や、黒薙温泉へ向かう途中の階段からが、トロッコを撮す絶景ポイントかなと個人的に思う場所です。最初に掲載した写真もこの駅で降りたところから撮した写真。

黒薙駅をでてすぐに渡る橋は後曳(あとびき)橋。よく「富山で休もう」等ポスターに使われている場所なのですが、川底からの写真は上流にあるダムからの放水を止めて、特別許可の上で撮影されているものなので、一般の人は撮すことができない構図です。

http://www.info-toyama.com/toyamakanko/statics/doc2/nemarucha/kurobe/



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前を通る人みんなが気にするであろう横穴。ここから約1.7km先にある黒部川の支流、黒薙側の黒薙発電所へ通じるトンネルだそうで。現在、新しい発電所の建設も行われてるため、建築資材の運搬や作業員の輸送に使われてるそうです。


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インディージョーンズに出てきそうな軌道とトンネルの風景にテンションあがりますが、建設作業員以外の立ち入り禁止の場所なので、入口だけ撮影。昔はこちらからも黒薙温泉は行けたそうですが、コンプライアンスが厳しくなった今、一般人の立ち入りは厳禁とのこと・・・少し残念です。

しかし黒薙温泉まで約20分の山道ルートも、なかなか素敵な風景が広がってます。


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一応、整備されてるとはいえ幅が狭く、落差のある崖沿いの道。ちょっとした登山気分を味わうことができます。


そうして辿り着く黒薙温泉。この旅館奥にも温泉はありますが、立ち寄り湯用の露天風呂もあります。


こちらが大露天風呂。黒薙川がすぐ横を流れる随分とダイナミックな光景。洗い場も何もない、ただお湯だけです。仕切りも何も無い、混浴扱いです。写真撮影時はだれも入浴客がいなかったので撮しましたが、人がいるときは撮影厳禁です。


次の停車駅までは、わりと長めの乗車。


黒部川第二発電所とその周辺。トロッコに乗って眺めてる風景は、意外に川底が浅く水量も少なめで、あまり渓谷という印象が少なく感じます。じつは、1995年7月の大水害で大量の土砂崩れが発生し、それ以降どんどん川底が埋まってきてます。


鐘釣橋からの風景も、かなり土石で埋まっている様子。


そんな光景を見ながら次の鐘釣(かねつり)駅に到着。個人的にこの路線上で一番お勧めの風景が見られる場所です。

駅から歩くこと約15分、川底へ降りることができます。河原にお湯が吹き出て、足湯を楽しむこともできますが、黒部峡谷らしい切り立った風景を眺めることもできます。


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雨天時や増水時は降りることができません。天気が良いとこの風景を見ることができます。


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鐘釣駅をでてすぐに見ることができる万年雪。ただ最近は温暖化の影響なのか、秋頃に消滅することが多くなった印象です。


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ここで一番気に入ってる場所が、鐘釣温泉宿での景色。宿泊しなくても休憩室は入ることできるのですが、この景色がとても素敵です。


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外は汗ばむ暑さなのに、涼しい風が通っていき気持ちの良い中、川の水音が響き、時々ひぐらしがなく・・・あまりにも気持ちの良い空間で、時間を忘れて浸れる場所です。黒薙周辺もそうですが、この周辺も携帯電話は通じないので、外界と完全に離れて癒やされます。

最後に、終点の欅平(けやきだいら)へ。

途中の小屋平ダム周辺。こういうトロッコ軌道が沢山ある所みると、なにかのゲームにありそうな風景に思えてなぜかワクワクします。

欅平には大きな橋がかかってて、そこからの景色は黒部峡らしい、切り立った崖を眺めることができます。
現在、もう一つの景観地である猿飛峡は、通路補修工事のため通行禁止。今期は通れそうにありませんが、他にも見て回れる場所がいくつかあります。

河原の展望台には足湯も設置されてます。


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名剣温泉や、祖母谷温泉への道途中は半洞門の「人食い岩」も名所の一つ。



平成25年6月30日から、駅のすぐ横に欅平ビジターセンターが開設。一般観光客が辿り着くことのできない、欅平黒部ダム間の名所風景地を大きな写真で紹介などしています。

ロッコの線路はこの先も続きますが、この先は工事関係者専用線。一般の立ち入りは禁止ですが、時々見学会が行われてます。
自分も以前、過去に参加してブログ記事にしました。黒部ダムから欅平方向に向かっての内容となってます。よろしければこちらもご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/inoue1024/20110618/1308323107



こんな感じで楽しめる、黒部峡谷鉄道。冬期間は営業運転していないので、楽しめるのは夏から紅葉の綺麗な秋にかけてのみ。ぜひ機会あれば立ち寄ってみてほしい風景地です。