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富山県を中心に北陸をこっそり応援するブログ。

剱岳の風景


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朝3時半、剱沢小屋を出発。かなり早い出発に思えるかもしれませんが、剱岳登山始める場合は大抵これくらいの時間から出るのが普通になってます。ヘッドライトをつけて暗闇の中、登山道を進みます。

1時間程で最初の山、一服剱(2,618m)山頂に。ここで日の出を迎えました。写真に写ってる尖った山は槍が岳。この時点ですでに鎖場が2カ所あり、先の厳しさを感じさせる道となってます。この段階で辛いと思ったなら引き返した方が無難であろう雰囲気です。

そして目の前には深い谷を挟んで200m以上の壁…道がどこにあるのか検討も付かない絶壁に向かっていきます。

何度かの休憩を挟みつつ、1時間半ほどかけて前剱(2,813m)山頂に。目の前にはさらに100m以上大きい剱岳がそびえてます。途中の写真が少ないのは、正直カメラを構える余裕が無かったため。とてもカメラ片手に撮影できるような所がほとんど無かったです。
そんな中で、剱岳向かう途中撮影した写真がこちら。

鎖の通っているところが道です。つま先を乗せるのがやっとの所に足を置いて進んでいきます。さらに垂直に崖を登ってゆく場所もあり、ちょっとでも足を滑らしたりしたら谷底にまっさかさま…という道を進みます。そんな道を進むこと約2時間、剱岳山頂(2,999m)に到着です。

山頂にはわりと最近立て直されたという小さな社が一つ。あと記念撮影がしやすい看板が何枚かありました。

社から少し離れたところに、平成に入ってからようやく設置された二等三角点が。この電子機器が活用される時代になってようやく設置された三角点。たどり着くことの困難さが伺えます。写真の奥に写っている二人は某大学のサークルが記念撮影してました。若さ溢れてて良いですね。

山頂から見渡す景色は絶景の一言。この写真は前剱、別山、雄山方向ですが、遮る物がほとんど無いので遠くまでよく見えます。山頂は尖った外観の割にそこそこ広く、登頂した方々が思い思いに休憩してました。自分もここで弁当を開けて朝食、絶景見ながら食べる食事は格別の味でした。

食事をして、写真を撮って、休憩を終わらせたら下山…しかし本当に気をつけるのは下山時。剱岳で起きる事故の大半は下山時に起きるとのこと。

この写真は剱岳から前剱への登山道を撮してますが、どこに道があるか解りますか? 右手前の尖った所にうっすら見える白い線が道です。この時点で大半の登山者は出発から5時間以上たっており、厳しい道を通り続けた疲れから気が抜けやすくなってしまいます。ただ、鎖場は「本当に危険」なところにある分、意識がしっかりしやすいのであまり事故は起きないそうです。

本当に危険なのはこの写真のようなところ。剱岳は岩場意外の所がこのようなもろく崩れた浮き石だらけというところが多くあります。場所によっては浮き石しか無い坂を降り続けるところも。こういうところで浮き石に足を取られ、数百メートル滑落というパターンがほとんどらしいです。また、自身は持ちこたえたとしても、落とした浮き石が加速して下を歩いてる登山者に当たり、重傷を負ってしまうというパターンも多いとか。ガイドの人もその点を非常に厳しく注意しており、「この場所では小石一つ落とさないように」と注意することもありました。

そんな厳しい道を進むこと4時間、ようやく麓の剱沢に着きます。この日のうちに帰りたい人はさらに4時間かかって剱御前を超えて雷鳥沢に降り、室堂へ向かうことになりますが、自分は時間に十分余裕あるスケジュール組んで剱御前小屋一泊、それから室堂へ帰る行程にしました。

こうして2泊3日の立山剱岳登山の旅は終わりました。
自分の足で実際に見て回ると人の評価というのは本当に当てにならないなと実感しました。雄山や大汝山はわりと人にお勧めしやすいです(それでも、それなりの足回りや準備運動することは勧めたいですが)。剱岳に関しては、とても万人に対して「簡単に登れる」とは言えない山であることは確かです。登山道や山頂から見る風景は本当に素晴らしいところではありますが、十分な登山装備に加えて3,000m級の山々を数回歩いた経験持ってから、専門ガイドをつけて登ることをお勧めしたいです。単独登山や、あまり登山経験無い者だけでのグループ登山は絶対お勧めできません。

しかし専門ガイドがいると、装備さえ整えておけば、そこそこの登山経験で安全にガイドしてくれます。金額はかかりますが、その分かなり確実に安全な誘導してくれますし、登山に必要な技術の参考にもなります。安全に絶景を見に行ける上に、勉強にもなります。
今回、自分は下記サイトの山岳ガイドさんに同行して貰いました。おかげで無事登頂し下山、とても助かりました。「興味あるけど不安があって登れない」という方こそ、ガイドに相談してみてはいかがでしょうか。

http://www.tsurugidake-guide.com/