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富山県を中心に北陸をこっそり応援するブログ。

雄山-大汝山-別山の風景

空撮ではありません。立山連峰、雄山から眺めた浄土山の風景。


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8月29日に、立山を代表する雄山や最高峰の大汝山(おおなんじ)を通り別山へ、翌30日に「一般登山者が登る山のうちでは危険度の最も高い山」(wikipediaより)とされている剱岳の登山に挑戦してきました。まずは29日の行程、室堂-一ノ越(いちのこし)-雄山-大汝山-富士ノ折立(ふじのおりたて)-真砂岳(まさごだけ)-別山(べっさん)-剱沢の風景を紹介。

この写真に写っている正面の山、台形右端の所が雄山、真ん中が大汝山で左端が富士ノ折立になります。

立山駅を朝7時半発のケーブルカーに乗り、美女平で高原バスに乗り換えて約1時間で到着。乗り継げば誰もが手軽に来られる室堂。室堂周辺はかなり観光整備されており、多少の上り下りはあるものの手軽に散策できるようになってます。雷鳥に会いやすいみくりが池や、白煙吹き上げる地獄谷、そこから湯を引いているみくりが池温泉雷鳥荘など、1〜2時間あればかなり楽しめる場所です。雷鳥目的の場合は、室堂併設の立山自然保護センターに行けば発見報告集まってるので参考にできます。

そして、ここが立山登山の出発点にもなります。他にも薬師岳に行く場合は有峰林道通って折立から登ったり、剱岳へは早月尾根から登るルートもありますが、大概はここを利用する人がほとんどのようです。午前9時、自分もここを出発。まずは一ノ越へ向かいます。

一ノ越へは1時間ちょっとで到着。山荘やトイレがあり、休憩しやすいようになってます。ここから南へ行くと浄土山や鳶山、北へ行くと雄山、大汝山へ行けます。どちらも綺麗な風景が広がるところですが、今回は雄山方向が目的なので北側にあるこの坂を登ります。

一ノ越までの道はわりと整備されており、普通の靴でもそんなに苦なくこれますが、ここから雄山の間は浮き石だらけのガレ場で、そこそこの坂となってます。浮き石に足を取られて転倒や滑落もあれば、落とした石が下を歩いてる人を直撃して怪我を負わせてしまうこともあります。多数の登山者がいて一見手軽そうに見えますが、意外にあなどれません。今期もここで滑落して骨折という重傷者がいますし、過去にも死亡事故起きてます。

しかし振り返るとそこは絶景。この日の富山市は曇りだったらしいのですが、こちらは雲海の上。現世から離れた風景を楽しめます。かといって風景に見とれてると足下すくわれるので、周りを見るのは立ち止まったり休憩してる時のみ。歩いてる時はあくまで足下や落石に注意して進みます。

一ノ越から歩くこと1時間ほどで雄山山頂に到着。山頂には雄山神社峰本社があり、ここで下山や登山の安全、願い事の祈願をしてもらえます。手前側には社務所もあり休憩スペースもあるので食事などしやすいです。なお、社務所ではカップ麺や飲み物も売ってますが、ヘリによる運送代が加わってるので全般的に高めです。カップ麺はお湯代含めて500円、カップ麺持参の場合お湯代は300円。

自分もここで昼食を取り、次の目的地、立山の最高峰大汝山3,015m目指します。

雄山からあまり起伏の無い道を歩くこと20分、大汝山に到着。こちらは岩に看板が刺さってるだけのシンプルな山頂表記。残念なことに、この辺りでガスがかかってしまい見晴らしが悪く。少し待ってみましたが晴れる様子無いので、写真撮影はほどほどにして先を進むことにしました。

大汝山から歩くこと20分、富士ノ折立につきます。写真は真砂岳へ向かう途中は急激な坂。登山でもっとも足に負担かかるのは降りる時。自分もつい勢いが出て左足関節を軽く痛めてしまいました。ちょっと休憩したことですぐ治りましたが、このような場所で歩行困難な状態になっても、簡単に戻ることはできないので注意必要です。自分はカメラを持ちつつ歩くことが多いのでステッキを使わなかったのも失敗要因でした。次回の挑戦時には買っておきたいところです。
真砂岳は名前の通り、細かい砂状の小石が積もった感じの山。登山道はほぼ稜線を歩くだけなのでそんなに苦は無いです。

真砂岳からちょっと険し目の上り坂を進むこと1時間ほどで別山(べっさん)2,880mに着きます。山頂には岩に囲まれた社がひとつ。ここから歩いて10分ほどの所に、剱岳が綺麗に見えるという北峰があるのですが、この時はガスが深かったので立ち寄りませんでした。

立山信仰の対象として、先ほど通ってきた雄山などは極楽浄土のイメージで語られてましたが、この別山を挟んで対象にある剱岳は針山地獄のイメージで語られてました。天国と地獄を別ける山ということで別山と名付けられたそうです。

この別山から続く尾根(別山乗越)を超えてようやく、剱岳登山のベースキャンプが集まる剱沢にたどり着きます。ここまでは、時々途切れつつもNTT docomoの信号は届いてました。室堂の信号所から届く範囲だったわけですが、この尾根を超えることで完全に信号の届かない場所になります。急激な坂を降り、雪渓によってできたと思われるガレ場を歩くこと40分、自分が今回泊まる剱沢小屋に到着しました。

その途中、雲間から剱岳が現れました。

間近で見る剱岳は威圧感が半端なくあります。正直、恐ろしさも感じる迫力。雲に隠れ気味の山頂が剱岳(2,999m)、その左手前は前剱(ぜんけん:2,813m)、さらに左手前に見える小高い山が一服剱(いっぷくつるぎ:2,618m)。手前二つの山を乗り越えて初めて剱岳に辿り着けます。前剱とか一服剱といった柔らかめな名前ですが、それぞれの間には深い崖があり、数百メートルの絶壁が立ちはだかってます。普通の人なら一服剱の手前で登山を諦める険しい道。ゲームに例えるならボス戦3連続と言ったところ。

剱沢小屋で見た夕日に照らされる剱岳。翌日、この山へ登ります。

ちなみに剱沢小屋は2009年に旧小屋雪害に伴って新築したため、とても新しくて清潔感ある山小屋。浄化槽設置されてるため水の使用に困ること無く、山小屋としては異例のシャワー室もあり。ここで剱岳登山ガイドの方と合流しましたが、「良い睡眠を取ることが安全な登山に繋がる。ここは良い睡眠が取りやすい小屋だ」とお勧めしてくれたこともあって泊まることにしました。夕食も美味しく、宿のスタッフ皆さん親切で良い方々ばかり。山に近いだけなら剣山荘がありますが、30分ほどの差でしかないので、よほど急ぐ事が無ければお勧めの山小屋です。

http://home.384.jp/4jbt8xry/

翌日、いよいよ剱岳登山開始。そのお話は次のエントリーで。