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福野夜高祭(ふくのよたかまつり)

「山の祭りは穏やか」…そんな通例とかけ離れた激しさあるお祭りです。

富山県南砺市福野(旧福野町)にて、慶安5年(1652年)から続くとされる福野夜高祭。4月30日の前夜祭から、5月1〜2日の宵祭、3日の本祭まで四日間続く盛大なイベント。曜日によって開催日が変わる事は無く、毎年この日に行われてます。

お祭りの詳しい経緯、詳細は下記サイトの方が詳細に載ってますので、ぜひ参照ください。

・旅々なんと「福野夜高祭」
http://www.tabi-nanto.jp/event/post_8.html

Wikipedia「福野夜高祭」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E9%87%8E%E5%A4%9C%E9%AB%98%E7%A5%AD

行燈(あんどん)の高さは大きいものだと約7メートル。各町内が毎回半年かけて木枠、竹枠や和紙で組み立ててます。昼間は町内をぐるぐる回ってる事が多く、このように移動しているのをよく見かけます。

夕刻、午後6時頃になると福野中心街に各町内の行灯が集まり、福野神明宮へお参りが行われます。このときもすでに激しい太鼓の音が響き渡り迫力あり、ちょっとした緊張感漂う雰囲気ありますが、美しい行燈をじっくり眺める事ができる一番のチャンスです。

大中小、多数の行燈が行き来し、小さな子供達だけで引いている可愛らしいものから、大人十数人で引く巨大な物まで眺める事ができます。

そしてこの祭り一番のクライマックスは、2日午後11時頃から行われる喧嘩祭り。Wikipediaの説明が一番解りやすいので、そのまま引用します。

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2日深夜11時すぎから大行燈7基で行なわれる引き合い(けんか行燈)は、福野夜高祭のメインイベントで、行燈を曳く若衆はもちろんのこと、観客たちも興奮と、熱気に包まれる。
富山県内の他地区の引き合い(突合せともいう)が正面から勢いよくぶつかり合い前面に飾られた吊物を潰しあうのだが、福野の引き合いは狭い道路ですれ違いざまに行燈の上に登った多くの若衆たちが、手や足を使い直接相手の行燈を壊しあうのが大きな特徴である。

衆たちは酒を酌み交わし、夜高太鼓が打ち鳴らされる中、夜高節を唄い、「よいやさ、よいやさ」と威勢のよい掛け声をあげ、観客共々気持ちを昂らせていく。やがて裁許と書かれた提灯を持った世話人が一箇所に集まり打ち合わせが始まる頃になると、多くの若衆達が自町の行燈に登り準備を始め、世話人がそれぞれの町内に戻るといよいよ引き合いが始まる。上り行燈3町が順番に動き出し下り行燈の横を順にすれ違うが、下り行燈側は後部台棒を斜めにずらし上り行燈の行く手を阻む、そのさいお互いの行燈の山車、吊物の骨組みである木枠、竹枠、また和紙を直接手や足で蹴り、破き、引きちぎり壊す。なお神明社の神様は女性で行燈が壊れれば壊れるほど喜ばれるといわれており、時には本当の喧嘩、転落事故もおこる。

約5〜6mの高さで行なわれる激しい空中戦に観客も熱狂し最高潮に達する。そして3町と相対し行燈がぼろぼろに壊れすべての引き合いが終わると、各町の世話人が集まり、祭事が無事執り行われ終了した旨の報告と来年の引継ぎとして、「しゃんしゃんの儀」といわれる手締めが行なわれ祭りは終了する。

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23時が近づくにつれ、この周辺一帯が異様な熱気に包まれるようになります。まさにこれから戦が始まると言わんばかりの迫力と緊張感があり、試合開始と同時に高ぶらせた感情を相手の行燈にぶつけていきます。

まぶしいフラッシュが何度もたかれ、落ちそうになったり落下したりすると観客からより大きな歓声があがってました。

曳山や行燈を正面からぶつけ合うお祭りはよく見かけますが、まさかお互いの行燈を手足で破壊してゆくというお祭りは初めて知りました。この迫力は本当にすさまじく、写真だけではお伝え難しいのが残念なところです。

Youtubeで探してみたところ、この方の動画が特に迫力伝わりそうなので紹介。

ぶつけ合いは約1時間ほどで終了。遠目には原形ありますが、近くで見るとかなりボロボロになっており、道路には千切れた和紙が散乱。お互いのパワーぶつけ合いがどれだけ激しいかを物語ってました。

この日、かなりヒートアップしたのか、高所から落下して負傷した人がいたらしく、救急車が終了直後かけつけて病院に搬送してました。でもニュースにも何もなってなかったので、もしかしたら毎年の光景なのかもしれません。


参加する衆達だけでなく、観客も興奮状態になるので激しい空気を好む人にお勧めしたいお祭りです。そういうのが苦手な方は、午後8時頃までの風景であれば穏やかに眺めることできるので、そういう観覧もお勧めしたいところです。