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「おおかみこどもの雨と雪」富山県上市町先行試写会

6/19(火)台風4号が近づいている天気でしたが、富山県は毎回のように、台風とはあまり関係の無い天気。この日、上市町細田守監督の新作、「おおかみこどもの雨と雪」先行試写会がありました。

18:30開場、19:00開演。日本での先行公開は昨日の東京に続いて2番目ということで、全国でもトップクラスに早い公開。地元の期待もあってか、会場はほぼ満席に。

まずは北日本放送のアナウンサー、上野 透さんが登場し司会進行の挨拶。一番最初に入場列に並んだ人は、16時ごろから並んでたとのこと。開場はどよめいてましたが、自分と隣の人は「田舎のせいか、大したことないね」と呟いてましたw

作品の概要紹介のち、細田守監督が登場。ステージに立たれた細田監督は、平日の夜にもかかわらず2階席までいっぱいになった会場に驚いてました。


そして、上野アナウンサーから細田監督に、3つのインタビューが。
1つ目は「おおかみこども」の発想について。
オオカミは西洋的な雰囲気で凶暴とか悪いイメージがあるが、この作品に登場するオオカミは絶滅したニホンオオカミをイメージ。実際は繊細で神経質、そして家族思いで優しいという一面がある。その雰囲気から発想に繋がったようです。

富山県にある動物園ファミリーパークにもオオカミはいるということで、実物を見てみることを勧められてました。

2つ目はキャストのみなさんについて。
宮崎あおいさんは綺麗で〜という話が少し続き、そのまま長くなりそうだったので上野アナウンサーが中断w 改めてインタビューの話に。

一流の俳優たちと仕事ができたことを喜んでました。また、キャストの決定についてはすんなり進んだとのこと。演じて欲しいと思った俳優に脚本を見せたところ、彼らから進んで演じたいという申し出があり、すぐ決まったそうです。

3つ目は地元の人に注目して欲しい所について。
モデルは事前に言われてるとおり、上市町。見たことある風景がかなり出てくる点だと言われてました。
映画の舞台そのものに住んでる方々に見て貰うことも考えてたため、嘘はつけないという気持ちで映像を作ったそうです。

あと、2009年に話題となった映画「剱岳-点の記-」を見て、細田監督も地元を美しく取り上げてくれたことに、誇らしい気持ちになったそうです。実際、今作の風景はとても凄いクオリティで描かれてました。少なからず映像に対してのこだわりある作り込みに、影響を受けたようです。

インタビューはこれにて終了。ここで、上野アナウンサーから、「会場の皆さんにも、細田監督にも知らせてない発表があります!」とのこと。
ここで登場したのは上市町の伊東町長。細田監督の前作「サマーウォーズ」ヒット時に監督へお願いしていた約束、「ぜひふるさとを舞台にした作品を作って欲しい」という要望に、こんな早く応えてくれたことに感謝されてました。

そしてここで、今作品の登場人物である花、雪、雨に上市町特別住民票の発行が発表になりました。町長から監督に特別住民票の授与が行われ、監督は「こんな綺麗で高解像度、ピクセルの高い住民票はすごい」っと、ちょっと変わった感想。

伊東町長はここで舞台から離れました。上野アナウンサーが「実は、特別ゲストがもう一人おられます!」細田監督「宮崎あおいさん!?」上野アナウンサー「いえー…違いますが…w」


富山県知事である石井知事が登場。「宮崎あおいさんでなくてスイマセン」に会場爆笑。
数週間前に報道陣向け試写会があったが、仕事で見に行くことができず悔しい思いをしたそうで。今回、この上市町の会場で一緒に初めてみるとのことでした。
また、富山県としてしっかりバックアップをするとのことで、山手線に富山県と今作コラボのラッピング車両をこの夏は走らせるとのことでした。

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北日本新聞「山手線車体広告に山ガール 石井知事会見」
http://webun.jp/news/A300/knpnews/20120607/60657
「山ガール」編と「おおかみこどもの雨と雪」編は、ともに1編成(11車両)ずつ走らせる。
11車両すべての側面に広告を張り付ける。
期間は「山ガール」編が6月18日から7月15日、
おおかみこどもの雨と雪」編は6月25日から7月22日まで。

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これにて一連の予定は終わり。ステージを離れようとした細田監督を上野アナウンサーが呼び止め、「最後に監督へ花束贈呈をします、それでは先生!お願いします!」と呼ばれて登場したのは、和服姿の美しい高齢の女性。細田監督は「お…お久しぶりです」と汗かきつつ、花束を受け取りました。

ここで登場されたのは、監督出身の上市町立宮川小学校で担任されてたという、ゴウダ スミコ先生。子供の頃の細田監督は、暇さえあれば絵ばっかり描いていたという思い出を語られてました。その中でも、監督の書いた虚無僧の絵がとても細かく、印象に残ったとのこと。その時の少年が、世界に誇る監督になったことに、感慨深い様子。
「体に気をつけて、世界に誇る作品を作り続けてください」とエールを送られてました。


最後に、細田監督から上市町の方へメッセージ。
「若いお母さんが頑張って子育てに取り組む様子と、自信が生まれ育った上市町の風景が交わって、良い作品に仕上がりました。1時間55分…54秒w、最後の0コマまで楽しんでください」とのこと。

以上で細田監督の舞台挨拶は終了。その後、作品の先行上映会になりました。


作品の細かい感想については、あまり書きません…というか、書けません。
自身は評論できるほど、そんなに映画を見てはいませんし、そこまでの文才はありませんので、あくまで感覚的な話のみです。

脚本の内容は、母としての辛さ、苦しさ、楽しさ、強さがとてもよく表現されてました。都会で苦労するシーンは少し胸苦しくなりましたが、優しいだけでない人の存在もリアリティがあり、より現実的な印象でした。
よく感想に「泣いた!」「感動した!」という表現が並んで、その多さが映画の評価っぽく見られるところありますが、この作品に関しては泣くようなシーンなく、感動を連呼するような作品ではありません。だからといって駄作かと言ったら絶対そういうことはありません。

しっとりと優しく、見終わった後は間違いなく「見て良かった」と思える、そんな清涼感の残るストーリーでした。


特筆する点があるとしたら、風景の描写でしょうか。大学でも町のシーンでも、背景に描かれている一人一人が、生きている人として描かれ、リアルな動きをしています。背景がそれだけ高いクオリティで描かれている中に、主役達が描写されているので、かなり現実感ある雰囲気となってました。農村風景や山岳風景は、まさに上市町の空気そのものが描かれ、豪雨のシーンなどは実写かと見間違えるほどの迫力。視聴2回目以降は背景描写もじっくり見たいところです。



あえて難点をあげるとしたら…展開が若干早く感じたところでしょうか。13年間の流れを2時間未満で表現してるため仕方の無いところではありますが、もっとじっくり、彼ら・彼女らの話を見たかったなというのが正直なところ。多分、小説版やコミックで、その辺りが捕捉されるのかなと思いますが、続編やスピンオフも作って欲しく思うくらい、登場キャラクターのその後などが気になりました。


あと、上市町の映写機がかなり不安定な装置みたいで、会場照明が落ちてから映画が始まるまで数分待たされたり、数回映像が飛び飛びになったりと、かなり不快に感じる不具合がありました。聞くところによると、以前の「サマーウォーズ」試写会時にも同様の不具合があっったようで。今回、伊東町長や石井知事も見てたはずですから、ぜひ補助金組んで設備改善を行って欲しいところです。


そんな、今回の上市町先行試写会の出来事や感想つらづらと書いてみました。
とりあえず言えることは、間違いなく「見て良かった」と思う作品であったと言うこと。7/21の公開を楽しみにして欲しいと思います。


あとは会場で撮した写真を何枚か。

試写会が行われた北アルプス文化会館の会場。


試写会参加した人から監督への寄せ書き。この後、一発書きで主人公達の絵を描き加えられた女性がおられたそうで。見てみたかったです…。


会場入り口。


会場入り口に立っていた看板。
こちらの看板に書いてあるとおり、まさに監督凱旋!の上映会だったと思います。



あと、この作品の舞台モデル情報や、上市町の名所・風景地を記事にしましたので、よろしければこちらもご覧ください。

おおかみこどもの雨と雪」舞台モデル情報
http://d.hatena.ne.jp/inoue1024/20120611/1339340829


上市町の名所・風景地案内
http://d.hatena.ne.jp/inoue1024/20120721